鹿子木健の相場学

■利食いと損切りが表裏一体であるということ

利食いしたら有頂天になって喜び、損切りしたら失敗したと落ち込む。

こんな状態では勝ち続けることができないので、「あり方」を変えていく必要があります。

そもそも、なぜ、利食いしたらうれしいのでしょう?

損切りしたら落ち込むのでしょう?

 

お金が増えたらうれしいに決まってる!

お金が減ったら悲しいに決まっている!

そう思うかもしれません。

 

でも、待ってください。

そもそも、なぜ、お金が増えたらうれしいのですか?

なぜ、お金が減ったら悲しいのですか?

 

お金が増えても、それを使えないとしたら、うれしくありませんよね。

お金が減っても、ずっと欲しかったものを買った結果、

その分お金が減ったなら悲しくありませんよね。

 

お金が増えたら喜ばなければならない、

お金が減ったら落ち込まなければならない、

そんな思い込みがあるだけではないでしょうか…?

 

もっと言うと、

自分で自己暗示をかけているだけとうことはないでしょうか?

損切りしたぞ、ほら、オレ、落ち込めー!

利食いした、だから、オレ、喜べー!

笑。

 

本当はそんなに落ち込んでいないのに、家族の前でわざと落ち込んで見せる。

そんな経験ありませんか?

あるいはそんな人が身近にいませんか?

聞いてほしい、同情してほしい、そんな甘えもあるのかもしれません。

 

怒りの感情は伝染すると言いますが、

周りの人を怒らせたり、不快な気持ちにさせるために(無意識の場合も)

怒りを爆発させる人もいます。

 

利食いと損切りの感情に話を戻しますね。

もしかしたら、本当はうれしくないのに、自分を鼓舞するために喜んでいたり、

本当は悲しくないのに、事故憐憫に浸りたくて悲しむ。

そんな潜在意識があるのかもしれません。

 

でも。

そもそも喜ぶ必要はないし、落ち込む必要はないのではないでしょうか?

それに気づけば、トレードが変わるだけでなく人生も変わります。

 

もう1点。

それは、やはり結果の時間軸の問題だと思います。

 

いつの時点での利益を利益と考えるのか。

いつの時点での損失を損失と考えるのか。

 

いまは確定申告の時期ですが、1年間でプラスになって、利益を出して、

税金をたくさん払えることを目標にするのか?

1月の成績、2月の成績、3月の成績…と1ヶ月間を単位で考えるのか?

それとも1週間か?

1日のうちで利益か損失かを決めるのか?

 

この考え方を突き詰めていけば、1時間毎に

6-7時は○○円の利益 よっしゃ!

7-8時は○○円の利益 今日は調子いいぜ!

8-9時は●●円の損失 あれー調子悪くなったかな…

9-10時は●●円の損失 スランプになってしまった…

10-11時は○○円の利益 スランプ脱出!イエイ!

なんてことになります。

 

さらに突き詰めていけば、

1トレード毎の結果で、利益、損失、利益、損失と結果がでるたびに、

やった! 調子いい! なぜ…? がびーん(笑)

などとやっていないといけなくなりますよね。

 

1ヶ月なら1ヶ月。

1年なら1年。

1週間なら1週間。

ちゃんと決めて、そのプロセスは無視しないと、自分がダメになりますよ。

 

あなたがお客様にお料理を振る舞うことになったとしましょう。

2月20日の18時にいらしてください、と伝えてあります。

でも、ある人が17時に来ました。

その人は、下ごしらえをしてある食材を見て、

「なに、これ全然美味しそうじゃないね」と言いました。

 

また別の人が17時半に来ました。

そして、オムレツを作るためにボールに溶いた卵を見て言いました。

「こんな生卵の汁、食べられないよ」

 

次の人は17時45分に来て、

ちょうどこれから天ぷらを揚げようと溶き小麦粉に海鮮を浸しているのを見て、

言いました。

「何これ、べたべたじゃん。天ぷらって揚げてさくさくにするものだよ、そんなことも知らないの」

 

さらに、お客さんが連れてきた子供が、

デザートのチョコレートムースを作るために粉々に砕いたチョコレートを見て、

「ぼくチョコ大好き!おいしい!」と食べてしまいました。

 

さて、18時には美味しいお料理ができました。

ふわふわのオムレツ、アツアツでサクサクの天ぷらが出てきました。

ここで初めて、美味しい!と言えばいいのに、

まだ作っているプロセスでいろいろ言っていた人は大恥です。

 

いつの時点を基準にして、結果として見るのか。

これがいかに大事かを考えましょう。

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