鹿子木健の相場学

■ロスカット総額を知っていますか?

皆さんは、ご自分のFX口座の取引履歴をしっかりご覧になったことはありますか?

年間、いくらのロスカットをしているか把握していますか?

 

証拠金は人それぞれですが、たとえば100万円の証拠金で運用している方は、

およそいくらくらいのロスカットを、年間通じて行っているのでしょうか?

証拠金1000万円の人は?

また10万円の人はどうでしょう?

 

100万円の証拠金としましょう。

1回のトレードで0.5%のリスクをとるとして、5000円のロスカット。

勝率6割として、月間30エントリーすると仮定すれば、12回のロスカット。

12×5000円=6万円のロスカットをしています。

6万円×12ヶ月で、年間72万円です。

 

100万円の証拠金に対して、年間72万円のロスカット。

では、利食いはどうでしょうか?

勝率6割なので、30×0.6=18回の利食い/月。

リスクリワード1:1で、同じく5000円の利食いとした場合、

9万円/月の利食い、年間にすると9万円×12ヶ月で108万円の利食い。

 

証拠金100万円に対して、72万円ロスカット、そして108万円の利食い。

計算式は、100-72+108=136万円。

100万円が136万円になるので、年利36%です。

 

上記のトレードが無理をしているとは思わないでしょう。

リスク許容は0.5%、勝率もたかだか6割、リスクリワードも1:1です。

これで36%も増えるのです。

勝率がもっと高く、リスクリワードがもっと高く、エントリー回数がさらに多いならば、

証拠金増加率はさらに大きくなります。

 

今日言いたいことは、36%増えるということではありません。

 

そうではなくて、36%増えたことの陰で見落としがちですが、

72%ロスカットしているという事実です。

36万円の利益を獲得するために、実は、倍の72万円のロスカットをしているのです。

 

これはリスクを最小限に抑えた場合での数字です。

一般のトレーダーは、100万円の証拠金に対して、

年間200万も300万もロスカットしていると思います。

勝っている人は、それに対して利食いは300万だったり400万だったりです。

 

100万という自己資金に対して、ロスカット200万なんて、すごいと感じませんか?

しかし、これが資金を回すということであり、当然のことなのです。

 

少し汚い話をすることをお許しください。

みなさんが1年間に、口から摂取している飲食物の総量は、いったいどれくだいだと思いますか?

1日に、飲み物を1リットルは飲みますよね。

調理された(水分も含む)固形物を1キログラムは食べますよね。

最低2キログラムとして。

年間2㎏×365日=730㎏。

体重73キロの人は、最低でも自分の体重の10倍は食べています。

 

そして、排せつする量は?

単純計算のために汗やその他の経路は無視すれば、

体重が増えないならば、同じく730キロ排せつしています。

体に対してこれだけの食物の流れが起きているのです。

 

証拠金に対してもそうです。

100万円の証拠金だから20万くらいのロスカットなんて考えたら大間違い。

実際は100万単位でロスカットしています。

勝っている人はもちろん、収益はそれ以上です。

そして利益が数十%程度残る。

 

これが、自己資本利益率(ROE)です。

トレードにおけるROEが、企業のROEに比べて極端なわけではありません。

きわめて正常な範囲です。

 

むしろ100万円の証拠金に対して20万円のロスカットしかしていないことは、

異常なことです。

もっとロスカットして、「投資」すべきなのです。

そうでないと、利益は上がりません。

 

現在、ちょうど

SOPHIAスタンダードの「鹿子木健の資産防衛法」で、

ROEについての学びをしていますのでぜひこちらも。

https://vc.medu.biz/sophiaamcstd/

 

「利益率10%」という言い方を聞いたことがありますか?

ここではあえて簡単に説明します。

売上が1億円上がった。

9000万円を損金(経費)として支出した。

利益は残った1000万円である。

 

十分な利益です。

トレードにおけるロスカットは、この9000万円の部分です。

売上1億円が、利食いの部分です。

利益が、1000万円です。

 

証拠金を1000万円増やすために、9000万円ロスカットするのです。

 

 

鹿子木健の相場学より

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