鹿子木健の相場学

■資金管理ができればメンタル管理は必要なし

トレードで勝つためには「メンタルが大事」とよく言われます。

負けている人は「メンタルで負けている」とも言いますね。

だから、メンタルを鍛えればトレードで勝てるようになる、と。

メンタルが重要だということ自体は間違いではないのですが、だからメンタルを鍛えるという発想は、

そもそも間違いです。

メンタルを管理すればよいという考え方も、正しいようで間違いです。

 

スポーツの世界ではメンタルがパフォーマンスを左右することは常識でしょう。

でも、トレードでは違う。

なぜか?

 

トレードは、スポーツで0.1秒の速さを争ったり、相手よりも1点でも多く取ることを争ったり、

またわずかでも高得点を取ることを争ったりするゲームではないからです。

0.1秒で勝ち負けが決まるのなら、その0.1秒をいかに引き出すか、肉体の力を

最高のレベルで引き出すためのメンタルが重要なのは言うまでもありません。

 

しかしトレードは、利益を出せばよいだけのゲームであり、証拠金を少しでも増やせばよいだけのゲームです。

だれが1pipsまたは1円でも多く獲得できるか、というトレードコンテストをやっているわけではありません。

トレードコンテストなら、自分が耐えられる限界ギリギリのハイレバレッジで勝負しつつ、

少しでも利益をたくさん獲得できるよう、常に極度の緊張感と戦う必要があります。

相場がわからなくても、リスクが高すぎると知っていても、制限時間内で結果を出すために、

時には山勘でポジションを取っていく危険を冒す必要があります。

メンタルで決まると言っても過言ではありませんよね。

 

しかし通常のトレードにはメンタルは必要ありません。

むしろ「メンタル」は逆に弊害となる場合もあります。

勘違いを呼び起こすからです。

 

含み損に耐えることをメンタルだと思う人。

利食いを我慢することをメンタルだと思う人。

自分はメンタルが弱いからエントリーできないんだと思う人。

笑ってしまいますよね。

 

メンタルなんて関係ありません。

メンタルのせいにしては、メンタルがかわいそうです。

 

すべて、資金管理です。

 

資金管理ができていないからストレスを感じるのであり、資金管理ができていないから

含み損や含み益で感情が揺さぶられるのです。

資金管理ができていないからエントリーに迷い、資金管理ができていないから手法の改善を迫られるのです。

資金管理ができていたら、たんたんとトレードを続けられます。

相場で恐いことも、何もありません。

そして、着実に、利益を出し続けることができます。

 

F1レースではメンタルが必要なのは認めますが、普段の車の運転でメンタルは必要ですか?

(もちろん感情が極度に高ぶっている時や疲労困憊している時は運転してはいけません)

なぜメンタルが必要ないかと言えば、制限速度で運転し、交通ルールを守り、

安全運転を心がけていれば、何も特別なことは起こらないとわかっているからです。

 

資金管理ができていれば、メンタルは必要ありません。

負けているのはメンタルのせいではありません、資金管理が原因です。

たとえメンタルが最悪でも勝てるようにするのが勝ちパターンです。

60%でいいのです。

他のだれかより収益が少なくてもいいのです、マイナスでなければ。

 

資金管理ができるようになれば、本当に勝てるようになります。

騙されたと思って資金管理を学び、実行してください。

 

 

ソフィアFX

2019年9月21日

鹿子木健の相場学より

 

友だち追加

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です