私たちは毎日、たくさんのことを決断しています。
朝起きた時から夜寝るまで、自分がどんな決断をしているかを思いめぐらすならば、
とても何十回ではきかないことがわかるでしょう。
少なくとも、何百回以上だと思います。
起床時、いますぐ布団から出るのか、それともあと5分じっとしているのか
というのも大事な決断です(笑)。
何を食べるのか、何を飲むのか。
何から順番にするのか。
電車通勤している人は、何時の電車に乗るのか、どの車両に乗るのかを
決断することでしょう。
順番が前後しますが、朝起きて最初にすることも、決断です。
瞑想するのか、ストレッチするのか、今日一日の計画を立てるのか、本を読むのか、
勉強するのか、それともスマホを見るのか。
スマホを見るにしても、5分間ニュースをチェックするのか、それとも
だらだらネットサーフィンするのか、それも自分で決めていることです。
家族にいたわりの声をかけるのか、不機嫌な顔でむっつりするのかも自分で決められます。
大事なことを申し上げると、自分の「感情」というのは自分自身では
決めることのできない所与の条件ではありません。
そうではなく、感情は、自分で決めることのできる行為です。
怒りは、自分が怒ると決めたから怒るのであって、コントロール不能なものではありません。
喜びもそうです。
だれが見ても嬉しいことがあったから喜ぶのではなく、自分で喜ぼうと決めて喜ぶものです。
逆境でも喜ぶことができますし、恵まれていても怒りに身を任せることができます。
決断している事柄を挙げていけばきりがないので、便利なフレームワークを使いましょう。
「5W2H」です。
When(いつ?) ・・・私たちはいつするのか自分で決めることができます。
Where(どこで?) ・・・私たちはどこでするのか自分で決めることができます。
Who(Whom)(だれが?/誰に?/誰と?) ・・・私たちは誰に、誰と、
ということも決めることができます。
Why(なぜ?) ・・・私たちは自分の行動や決断の理由を自分で決めることができます
(※この決断が最も崇高で、人間にしか許されていないことだと思います)。
How(どのように) ・・・私たちはどのように実行するのかを自分で決めることができます。
How much(どのくらい、いくら) ・・・私たちはどのくらい(どの程度)それをするのか、
また対価をどうするのか、自分で決めることができます。
朝起きてから夜寝るまで、5W2Hにかかわることすべてを、私たちは決断しています。
それも繰り返し、繰り返し、些細なことに至るまで、です。
決断というと、「何を買うか」「どんな仕事を受けるか」「経営判断」等大きくて
わかりやすいことを思い浮かべがちですが、どんな小さなことも私たちは決断しています。
ためしに、1分間、ストップウォッチで測って、1分の間に何を決断しているのか
実験してみるのもよいでしょう。
「何も決めないぞ」と考えたところで、何も決めないことを決断していますし、
私たちは思考や想像をコントロールしながら生活していますから、1分間、
やはり何かを考えたり、想像したりしているはずです。
思考や想像の領域でさえ、私たちは決断しています。
悪いことを想像する場合も、それをすることを決断しているのです。
もう決断から逃げられないことがわかりましたよね(笑)。
さて、ここからが本題です。
トレードで私たちはこれまで何をどのように決断してきたのか、
そして今決断しているのか、さらに、良い成果を上げるために今後どのように
決断していくべきなのか。
それが私がお伝えしたいことです。
今日は少し長くなりましたので、次回続きを書きたいと思います。
2020.10.13
鹿子木健の相場学、より